シドニー・ダーリングハーバーのエキシビション・コンベンション・センターで22日、スキー観光客を誘致するイベント「スキー・トラベル・エキスポ」が開催された。日本政府観光局(JNTO)がオーガナイズし、JTBオーストラリアや地方自治体などがブースを設け、大震災で急速に冷え込んだ日本の冬季観光地を回復させたい意向だ。【NNA豪州編集部・山田英喜】
同イベントには世界各国から約100のスキー場が参加し、日本の自治体からは長野&新潟スノー・リゾート・アライアンス(志賀高原、白馬、野沢温泉、妙高)、北海道スキー・プロモーション・カウンシル(富良野、ニセコ、札幌、旭川、上川、キロロ、ルスツ)が参加した。会場では、スキー・スノーボードウエアのファッションショーなども開催され、盛り上がりをみせた。来場者数は約1万人で前年比約10%増加したという。
■安全性の情報発信に注力
観光促進イベントでは、JNTOによる日本各地のアピールに加え、各地のブースでスキー場や温泉、アトラクションなどの詳細説明を行った。JNTOシドニー事務所の山下幸男・所長は今回の誘致イベントについて、「多くの人が興味・関心を示してくれる。来シーズンのスキー客誘致に期待すると共に今後も努力していく」と話した。また東日本大震災の影響については、「被害を心配する声はほとんどなく、影響は限定的。安心して来日してもらうためにも、安全性に対する情報発信に注力していく」と説明した。
JNTOの統計によると、10年度に日本を訪れた豪州人は22万6,000人と前年比6.6%増加。また今年は大震災直前の1~2月までは5万2,200人と過去最多で推移していたが、今年1~3月でみると、6万3,100人と前年同期比で7.2%減少した。3月の大震災の影響で観光市場が如実に冷え込んだことがうかがえる。
■日本スキーリゾートの象徴
長野県と新潟県は共同で、約8年前から豪州や欧州を中心とした誘致活動を強化している。妙高赤倉温泉お宿ふるやの中島正文社長は、「日本スキーリゾートの象徴ともいえるわが地域にぜひ来てもらいたい。温泉や食べ物に加え、上質なパウダースノーも楽しんでもらえる」と説明。また志賀高原のふもとの地獄谷野猿公苑では、冬シーズンになると毎日ニホンザルが温泉にやってくることから、豪州人にも「スノーモンキー」という名で親しまれており、人気のスポットだという。
■スキー以外の魅力も
長年にわたり豪州人に人気な北海道地域では近年、シンガポールや香港からも訪日客が増加した。外国人向けスキースクールを行うフラノ・スノー・スクールの門馬慶コーディネーターは、「外国人スキー客はリピーターも多く、近年はスキーだけでなく気球やワカサギ釣り、買い物など、多方面で楽しむ傾向がある」と説明。さまざまな分野で魅力を伝えているようだ。
■セミナーには東北地域も参加
翌日23日にはシドニー市内のホテルで、来シーズンに向けた訪日スキーセミナー「Japan Snow & Adventure Seminar 2011」を開催。同セミナーでは東北地域(安比高原)も参加。東日本大震災の発生時期が悪く、22日の出展は見合わせたものの、同地域のリゾートに大きな被害はなく来シーズンのスキー客誘致に注力していく方針という。
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